伊集院駅を降り立つと、まず目にする光景がある。
「島津義弘公騎馬像」
真新しい駅舎に映える銅像は、建立して35年余が経つ。
騎馬で駆け抜ける威風堂々たる姿は、変わらず伊集院のシンボルである。
トンネルを抜け、急な上り坂の先に見えてくるのが、この「狐火ハウス」。
「カメハウス」と呼ばれるこの住宅は、古民家を改装した、移住体験施設である。
大正11年に建築され、今年で100年を超える。
何処か懐かしい雰囲気が漂う玄関を抜けると、
現代風にお洒落したリビングが客人を出迎える。
木目調の落ち着いた雰囲気と、
スポットごとに設置された間接照明が部屋を明るく包む。
天井にはシーリングファン。
和風建築に洋の雰囲気が冴える。
陽が落ち、ブラインドがすべて下りた後の世界は、
温かくそして柔らかく包み込んでくれる照明と、
古からある、どっしりと構えた木目の柱がより色濃く映え、
一瞬の幻想に包まれたかのような感覚を覚える。
暗闇の中、ふと瞳に映ったイルミネーションに
思わずはっとさせられる、あの時の感覚と似ている。
和洋折衷なリビングとは対照的に、和室は昔ながらの雰囲気が残る。
広い畳の上で追いかけっこする子供たちか、
低い机が並ぶ、気の置けない仲間との夜更けまで続く宴か、
布団が並ぶ、夢の世界へと落ちる瞬間まで語り合う憧憬か。
瞳を閉じれば不思議と情景が浮かんでくる。
アイコンのように置かれている狐面は、
この「狐火ハウス」の名前の由縁。
遠い昔、この地にある城を落とす時、
狐火に導かれながら、この城山を駆け上り、
勝利を収めたという伝説から成る。
この地は狐とともに長い時間を歩いてきた。
そんな雰囲気すら感じさせる。
今宵は何を食べようか。
何処かに食べに行こうか。
思い思いの楽しみ方ができるのも、お試し滞在の醍醐味。
長い間積み重ねられてきた、鹿児島の伝統的な「味」に、
今宵は盃を交わそう。
朝、目覚めると少し遅く昇った太陽が顔を見せていた。
朝霧に包まれた伊集院の町並みは、まるで夢から今へと結ぶ夢の浮橋のようだ。
霧が晴れると、青の世界に、いつもの町並みが広がる。
遠くに見える、駅を発つ電車、
エンジンをふかして、坂を登る自動車の音。
今日は何処に行こうか。
誰と過ごそうか。
思いを巡らせながら、特別な一日が始まる。
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