江戸時代から続く行事で、古くは薩摩藩の武士が関ヶ原の戦いの敵中突破による帰還をしのんで行われている。鹿児島三大詣りのひとつである。
漫画 ドリフターズ原画展とのコラボだ。
宮崎佐土原と鹿児島仙巌園のドリフターズ原画展
このプレミアムなイベントが日置市で行われたので報告したい。最後に妙円寺詣りにも触れたいと思う。
10日間のプレミアムなイベント
伊集院駅に降り立つとドリフターズと妙円寺詣りの看板が堂々と現れる。圧巻だ。
"俺ら兵子が関ヶ原で死んでも
島津のお家はそれを糧に事を成す"
言わずと知れたドリフターズの名台詞。妙円寺詣りの祭文奏上にも同様の内容が含まれる。数多くの犠牲を払ったうえでの関ヶ原からの帰還。名誉でもあり、また悲劇でもあり苦難の傷跡である。だが、薩摩はこれを糧に徳川の歴史の頁をめくり、約268年後に明治維新という形で幕引きさせた。
命捨てがまるは今ぞ
駅だけでも大々的な宣伝。国体にも引けを取らぬほどのアピールっぷりだ。
まだ時間前だったが、日置市のご厚意により、先に原画を見ることができた。
観光案内所二階に行くと、大きなドリフターズパネルに迎えられた。その圧倒的な雰囲気に一瞬息を呑んでしまう。
正面にはアニメ版の映像、その脇には甲冑、両側には原画がずらりと並ぶ。
並ぶ原画にはお茶目な台詞も。
圧倒的な雰囲気を醸し出す原画に、アニメ版の映像、普段は市役所に鎮座する甲冑まで置かれている。戦国感に満ち満ちたなかで原画を見ることができるとは、なんと贅沢なんだろう。
感動もひとしおに、本来の任務へと移ろう。これから多数押し寄せるであろうお客人の案内とグッズ販売の手伝いだ。
最近出陣が増えている旅庵
少しずつ知名度が上がれば良いな
グッズ販売スペースの横にはネオ日置の体験スペースがある。ヘッドマウンドディスプレイだとよりリアルに表現されているように感じた。
現代の偵察は最新のメタバースよ
妙円寺。鐘がある塔屋の上にも行ける
ネオ日置はこちら
原画展はもちろん、グッズを買う人も途切れることなく続き、ドリフターズ人気の高さが伺えた。県内からだけでなく県外から訪れる人も多かった。ウォークラリーも行われ、なかには前週の関ヶ原の祭りに行き、見事コンプリートされた方も居た。
オススメの捨てがまりてぬぐい。あのシーンとともに捨てがまりの解説つき。
一方、徳重神社では妙円寺詣りのウォークラリーで到着する参拝者を出迎えていた。
まだ早い時間帯だが参拝者が多い
日置市ブースではグッズはもちろん、甲冑着付けやVR島津義弘の体験を行なっていた
日曜日の午後になると、妙円寺詣り武者行列保存会の武者が次々と徳重神社に到着し、そのまま本殿に入り、祭文の奏上が行われた。伊集院の街並みを練り歩く武者行列も見ものだが、武者がいっせいに本殿に集う祭文奏上は、個人的にはイチオシだ。
島津の退き口から始まり、薩摩の武士によって現代へと語り継がれる薩摩の歴史と魂。鹿児島出身者だけでなく、今も刻まれるその気概と息吹を是非とも感じて欲しい。
最後に記念撮影が行われ、神社をあとにする武者たち
今年も無事、妙円寺詣りが執り行われた。そして、兄弟盟約60周年の記念に行われたドリフターズコラボもこの記事を書いている時に無事に最後まで執り行われた。
ひおきと担当者をはじめとした、多くの日置市職員、関連団体、そして日置市民の尽力があってこそである。毎年訪れる特別な時間に巡り会えること、心から御礼申し上げたい。
また、来年もこの時期に、この場所で会おう。過去から現在、現在から未来へ、その特別な時間を皆で分かち合おう。
今年も義弘公の銅像には竹灯籠が点された
結びに…
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