前置き
今から6年ほど前のことである。
都内のふるさと回帰支援センターを訪れた。
ここは全国各地でUターン、Iターンを始めとした移住希望者を対象とした支援を行っている。
移住相談で、鹿児島県日置市の担当者が僧侶のようなスキンヘッドで甲冑姿。
ここは(当時)平成の世のはず。
時代を、場所を間違えたのだろうか。
そんな小さな揺らぎを心の奥底に仕舞い、個別相談が始まった。
個別相談は住居であったり、仕事であったりとごく一般的な内容であったが、時折交わる鹿児島弁がなんだか懐かしい気持ちとなった。
ひととおりの相談が終わったところで、ふと、こんな風に切り出した。
「今度、日置市に武将隊ができるんだ―――」
おもてなし武将隊とは
おもてなし武将隊、全国各地で武将(姫、忍者)がその地域の観光振興PRを行う団体のこと。
東海エリアをルーツに今は全国的に広まりつつある。その見た目もさることながら、観光案内や武将の生き様を表す「演武」パフォーマンスは各団体の特色が最大限生かされており、人気が高い。
まさに歴史文化におけるひとつのエンタテイメントだ。
鹿児島では満を持しての結成

令和元(2019)年4月1日結成(メディアリリースは平成31年3月29日付)された。
鹿児島では初、九州では4番目※の武将隊誕生となった。
※ 熊本城おもてなし武将隊、島原城七万石武将隊、福岡おもてなし武将隊(敬称略)に続き九州では4番目に結成

島津家家系図。ひおきPR武将隊の武将のみ。
島津家だけでも覚えてくれたら嬉しい。上下は親子関係、左右は兄弟を表す。
日置市は島津義弘公を初めとする島津四兄弟由縁の地であり、各地に史跡が多く残される。
また、鹿児島三大詣りのひとつ、妙円寺詣りが行われており、強い関わりがある。
市職員が中心となり、島津氏及びその家臣として、全国的にPR活動を行ってきた。おもてなし活動はもちろん、日置市に長く伝わる「妙円寺詣り」をロックで歌うバンドパフォーマンス(演武)も見どころである。
あいら義弘公フェスタ(2019年11月)での演武
最大の特徴は鹿児島に深く根付く「戦国島津」を体現していること。
その硬派なリアルな見た目そのままに、ベースをドラムを盛大にかき鳴らしながら、島津を咆哮する。
しかも、(ほぼ)市役所職員である。市政の第一線で活動している方々が直にやっている。
他にこのような団体があるだろうか。
ひおきPR武将隊、妙円寺詣り紹介動画
その生き様をとくとご覧あれ
まずは、これまでの戦歴を紹介したい。


うたた往時のなつかしやイベント(2024年10月)


八島太郎没後30周年記念ファイナル展オープニングアクト(2023年12月)
2023年10月には岐阜県関ヶ原町との兄弟盟約60周年記念として、ドリフターズ原画展が行われた。

ドリフターズ原画展in日置2023(2023年10月)
久々の2023年9月のライブでは、新体制となったうえで、新パフォーマンス「ハカ」を投入。


大河の世界と戦国島津(2023年9月)


渋谷おはら祭り(2023年5月)
2022年の大関ヶ原祭では打ち付ける島津雨の中で、ライブパフォーマンスを敢行。


大関ヶ原祭2022(2022年10月)
鹿児島のスポーツイベントにも出陣した。
フラーゴラッド鹿児島ホーム戦(2025年1月)

鹿児島レブナイズホーム戦(2022年3月)

鶴丸城跡ふれあいフェスタ(2021年11月)
県外、市外だけでなく、市内のイベントにも参加。

島津義弘公像竹灯籠点火式(2020年10月)

どんどん鹿児島〜ふるさと物産展(2019年8月)
忘れてはならないのは、日置市のメインイベントのひとつ、妙円寺詣り。
2020年はコロナ禍のなか、御楼門から徳重神社までの約21キロを練り歩いた。




妙円寺詣り
この5年間、イベント出陣だけではない。メディアへの出陣も欠かさない。


地元のラジオにも出陣
2022年からは、ついにyoutubeにも進出。
ひおきとTVに武将隊が登場した。
生配信は一発勝負!準備は念入りに。
武将隊ながら、市の広報や政策の発信もあり、市のセミナーにも出陣する。武将が移住の相談に乗ったり、最新鋭の仮想空間メタバースの案内を行った。


市のセミナーを武将隊が執り行う
日置市の中心部、JR伊集院駅に来ると武将隊が出迎えてくれる。ここから戦国島津への気合いの入れようが半端ない。



伊集院駅に降り立つと、武将隊のパネルやタペストリーが目立つ。自由通路だけでなく、バスロータリーまで続く。是非とも見て欲しい。
市役所の職員、そして市民、縁を持つ関係人口が、島津家の武将や家臣に扮して発信している。
イベントではブースでのおもてなしはもちろん、ステージではライブをロックで暴れ回る。
その一方で、メディアやyoutube配信(機材は職員の自前)、メタバースもセミナーも行う。
職員自らが行なっている。
市政第一線に居るからこそ、伝えられるものがある。
結成された2019年はまさしく破竹の勢いで全国を駆け回った。
2020年からの数年は県内メインの活動や市の観光案内に舵を切った。

日置市の観光案内ブック。武将が日置を案内している。
2022年からは再び県外の活動が増えた。
人や形が変わっても、ひたすら進み続けた。
こうやって、6周年を迎えた。
本当にガチで突き進む薩摩隼人集団であったと思う。その本気度は他に追随を許さない。
我々は鹿児島の、戦国島津の案内人である。
東京から千キロ以上離れていても、武将隊の発端地から離れていても、時が流れても、いつまでも変わらない気持ちで、今日も明日も鹿児島の、戦国島津の案内人としてあり続ける。
だから、どうか見届けて欲しい。
確かに居たことを覚えて欲しい。
現世も変わらず揺らぎ消えゆく泡沫の夢である。
鹿児島に足を運んだ際には、ちょっとでも思い出していただければ幸甚である。

「チェスト」を合言葉に、この薩摩の地で会おうぞ。
結びに…
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