こんにちは、プラスチックの人・オカピです。


先日、オカピの推しの国・インドネシアに行ってきました!
現地のプラスチックのリサイクルに関連する場所にいくつか行ってきたので、ちょっとだけご紹介します。


インドネシアは東南アジアに位置する、17,500以上の島からなる島国です。
人口はおよそ2.7億人、平均年齢は29歳で、元気に成長を続けている大国の一つです。
経済成長が進むとごみも増えていくわけですが、インドネシアのごみ処理がごみの増加に対応できているとは言えません。
国内の各種リサイクル施設はまだ不十分で、3Rの意識もあまり浸透しておらず、行政によるごみ収集のシステムもきちんと整備されていない地域が多いです。


行政ができないなら自分たちで、とローカルなプラスチックのリサイクルに取り組んでいる人たちを突撃してきましたよ!




①ごみを拾う


バリ島のNPO、Sungai Watch(スンガイウオッチ)は、川や海に流れ出すごみの収集を積極的に行っています。
島内各地でスタッフやボランティアによって集められるごみは、一日約3トンほど。
それを全て人力で分別・洗浄して、リサイクルできるものはリサイクルしています。
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1週間ほどでこのぐらいのごみが集まるそう



私もビーチクリーンに参加しました。
バリ島のビーチで見つかるごみは、島から流れ出るごみのほか、お隣のジャワ島由来のものが多いそうです。
吹上浜と比べて、お弁当の発泡スチロール容器やプラスチックのカトラリー、ストローなどの比率が多い印象でした。インドネシアは露店で簡単なお弁当を買って食べる人が多いので、それがこの違いを生み出しているのかもしれません。
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お菓子などのビニールだけでも、数週間で写真に写っているほどの量が集まります。
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一つ一つ拾ってより分けるだけでも、大変な労力がかかっていることが想像できますね…


Sungai Watchでは、ポイ捨てを減らすために、島内の学校やコミュニティで3Rの大切さを伝えるワークショップも行っているそうです。
みんながきちんとごみを分別して捨てれば、川や海に流れるごみの量はぐんと減りますね。




②ごみを集める


友人の地元・ソロ(スラカルタ)を案内してもらっているときに、たまたま紹介してもらったのが、プラスチックの中間処理施設。インドネシア語では通常、pengepul(プングプル)と呼ばれるそうです。
ごみを排出する企業やpemelung(プムルン)というゴミ回収をする人々からプラごみを買取り、更に選別・破砕・洗浄・乾燥させて材料として再生プラスチック製品工場などに売却します。

私が訪れた日にも、たくさんのトラックが敷地内にプラスチックごみを運び入れていました。


敷地内には飲料水のキャップから洗濯機のドラムまで、たくさんの種類のプラごみが置いてありました。
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洗濯機のドラム。ここからさらに分解します


それを破砕し、水で洗ったら天日干し。
私が行ったときには飲料水のパックだったものが干されていました。

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別の種類のプラスチック。乾燥したら袋に詰められます



プラスチックは値段が上下するため、時期を見て売却するのがこの商売の面白いところ、とオーナーは楽しそうに語っていました。





③リサイクルする


小規模にプラスチックごみをリサイクルする「プレシャスプラスチック」の拠点にも訪問してきました。
(プレシャスプラスチック(Precious Plastic)は、地域のプラごみをローカルにリサイクルして、プラごみのない地域を作ろう、と呼びかけるコミュニティです。詳しくは preciousplastic.com をご覧ください。)
それぞれの拠点で見たもの、聞いたことを語ると長くなるので、エッセンシャル版で言うと…


オシャレな家具やノベルティ、プラごみ加工の機械を作っているPrecious Plastic Bandung (プレシャスプラスチックバンドン)では、製品づくりのアドバイスをたくさん頂き…

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化粧品のケースから棚を製作中



Wedoo workshop Bali(ウィドゥーワークショップ バリ)では、プラごみ製のエレキギターや自転車を漕いで動くシュレッダーを体験し…

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ジャジャーンとね


身体障害のある方が多く働くYayasan Kaki Kita Senusantara(ヤヤサンカキキタスヌサンタラ)では、プラごみ製の安価で丈夫な義足を見せていただきました。
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めっちゃ素敵です…



皆さん気さくで、お忙しい中時間をとって私に説明をしてくださいました。
技術的なことからインドネシアのごみ事情や製品の売れ行きに至るまで、たくさんのことを学びました!




④体現する


私が訪問したプラスチックな場所の中で、最もおしゃれだったのは、バリ島随一のリゾートホテル、Desa Potato Head(デサ ポテトヘッド)です。
2023年に「世界のベストホテル50選(https://www.theworlds50best.com/hotels/)」にも選出されたこのホテルは、オシャレなだけでなく環境への配慮にも超真剣。
「(埋め立てる)ごみの排出量を5%にする」と宣言して取り組みを始め、今は取組前と比較して埋め立てられるごみの量は3%にまで減っています。


オカピはこのホテルにもちろん宿泊…せず、無料のごみツアー(waste tour)に参加してきました。


バリ島にはごみの焼却施設がないため、「燃えるゴミ」はありません。
お客様の満足度を保ったままできる限りごみを減らし、使いつくすために、あらゆる工夫をしている様子を見せていただきました。
生ごみの多く出るビュッフェは廃止、それでも出る生ごみはたい肥や豚の餌に。
ベッドのシーツは草木染めをしてショッピングバッグに。

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ワインのボトルと廃油を組み合わせて、館内で使うキャンドルに。

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(島内にはガラスのリサイクル施設がありません)
どうしても出てしまうプラスチックごみは、種類ごとに分けてビーズや家具、アメニティに再利用されていました。
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椅子や

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ソープディスペンサーなど



中庭にある大きなモニュメント「pointman」は、プラごみ製。
ごみ減量への姿勢を、オシャレに表現しています。
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実はこのモニュメント、上記のYayasan Kaki Kitaが板を製作したのだとか。


「リサイクルをセクシーに魅せるのよ」とは、ツアーのガイドさんの言。
お客さんにプレッシャーを与えることなく、自然に3Rを伝える工夫がそこここにあり、素敵だな、と思いました。
次回バリ島を訪れる際は、是非宿泊してみたい…




⑤おまけ


インドネシアのペットボトルキャップ、日本とちょっと違いました。
日本のは、こんな感じ。
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対してインドネシアのは、こんな感じ。
IMG20240312094501_copy_1156x867




日本では2つの素材を使った、2重構造のキャップが結構あるのですが、
インドネシアのものは、単一素材のものがほとんどでした。
日本のキャップはPPのものとHDPEのものが混在しているのに対し、インドネシアのキャップはほとんどがHDPE製。HDPE製であることを示すマークがキャップに刻まれているものも多いです。(日本のキャップには材質を示す記載がありません)


そして、インドネシアのキャップはロゴが印刷されているものが少なく、小ぶりなものが多いのでした。


なぜこのような違いがあるのか?考えてみると、面白いですね。



結びに…

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